WDF Vol.22 開催レポート

2016年6月11日(土)、「Webの大事な話〜視覚デザインとデジタルマーケティング〜」をテーマに WDF Vol.22 を開催し、46名の方にご参加いただきました。ご参加の皆さま、講師の皆さま、ありがとうございました。
イベントの様子
金沢美術工芸大学 坂野 徹さん「情報と整理と価値のはなし」




金沢美術工芸大学 視覚デザイン専攻准教授 坂野 徹さんは、「情報と整理と価値のはなし」というテーマで、情報編集の視点から「デザインという概念」についてお話しくださいました。
金沢美大で教鞭をとりながら、ブックデザイナーとしても活躍されている坂野さん。実際に講義で行っている本の帯をデザインするレッスンをはじめ、坂野さんがこれまで手がけられた様々なインフォグラフィクスを紹介しながら、坂野さんの考えるデザイン論をお話しくださいました。デザインするためには対象や目的を理解すること、デザインの価値は情報を再パッケージして提示することにある、目に見えない概念や価値も構造化で表すことで他の人と共有できる共通言語になる、といった内容は、日頃Webデザインに携わっているデザイナーはもちろん、ノンデザイナーにとっても新たな視点に気づかせてもらえるものでした。
参加者の感想
- 普段聞けない視点でのデザインの話に大変勉強になりました。
- 親しみやすい雰囲気もあって、楽しんで受けられた。センスがどう、というよりも「アルゴリズムに従って平均的に」というのが美大のイメージを覆していて面白かった。
- とても楽しめました。フクザツな情報を人に伝えることが多いので、インフォグラフィック力を磨いていこうと思いました。
- 目的に対してのアプローチの姿勢が役に立った。
- デザイン分野のお話だったのであまり関係がないかと思いましたが、意外な面白さがあり、聞けて非常に良かった。
株式会社ニューバランスジャパン 鈴木 健さん「ワークショップで学ぶ顧客起点のデジタルマーケティング」






株式会社ニューバランスジャパン マーケティング部 シニアマネージャーの鈴木 健さんは、広告・マーケティングの現状をまとめたうえで、伝統的なマーケティングが終焉したいま、ブランドの考えている概念をどうコミュニケーションするのか。その起点は自分たちが価値提供をしている顧客にある、ということで、実際にニューバランスジャパンでも実践されているカスタマージャーニーのワークショップをしてくださいました。
6つのチームが、限られた時間の中でペルソナを設定し、ペルソナが顧客になるステップを描き出しました。同じ商品をテーマにしていても、設定されたペルソナは二十歳の理系女子大生から、最近体型の変化が気になるアラフォー既婚男性、60代のパート女性まで多岐にわたり、それぞれがターゲットについて掘り下げていきました。
「共通の像があると話がしやすい、人間を通して考えていった方が、コミュニケーションが豊かになる」という鈴木さんの言葉通り、この日、初めて会場で会った参加者の皆さんは、共通のペルソナについて活発に意見を交わしていました。
セッションの最後には、ニューバランスのプロモーション事例として湘南マラソンの協賛で実施した「ソーシャルマラソン」を紹介し、「仕事は楽しくやるべき、人間がハッピーになることを考える」と締めくくりました。
参加者の感想
- 最新のテクノロジーばかり追わず、やはり根本は「人」。今回のワークショップで体験できました。ニューバランス欲しくなりました!!
- カスタマージャーニーについて実際に学びながら作ることができた。初めて会ったいろんな職種の人と同じペルソナについて話すことができ楽しかったです。
- ワークショップ、とても楽しめました。ターゲットユーザーのことを理解し戦略を考える重要さ、基本的なことですが今後も意識して取り組みたいと思いました。
- ワークショップ、楽しかったのでもう少し時間をかけたいです。
- カスタマージャーニーは自社で何度かやったことがありますが、ニューバランスのカスタマージャーニーのノウハウを知ってワークショップができたことはすごく糧になりました。今後の業務に生かそうと思います。
パネルディスカッション「視覚デザインとデジタルマーケティング」




毎回好評のパネルディスカッション。会場の皆さんからの質問も多く、おおいに盛り上がりました。カスタマージャーニーの実践に関する具体的な質問や、情報をどう整理し価値判断しているのか、といった質問に、丁寧に答えていただきました。お二人ともバックグラウンドやセッションのテーマが異なるにも関わらず、「楽しむこと」という姿勢が共通していたのも印象的でした。
参加者の感想
- 違う分野で仕事をされている方でもつながっている部分や共感されているところを見て楽しく聞けました。
- 先生方が楽しくお話されているのが楽しかったです。デザイナーとマーケターのつながりが見えました。
- 講師お二人も強くおっしゃっていましたが、マーケティングをするにしてもデザインをするにしてもやはり目的とは何かを明確にすることがとても重要と感じました。